【感想】「やがて君になる 7巻」ありがとう佐伯沙弥香、ありがとう槙くん。
どうも、語彙力崩壊限界百合おじさんです。
ゴルディオンハンマー(やが君7巻)で光にされました。
6巻は6巻で頭を抱え、「これからどうなるんだよ!」と発狂したことをよく覚えていますが、今回の7巻はやが君にとってのクライマックスと言っても過言ではないくらいの、あまりにも膨大な"感情"を吸収したせいで読んでからしばらく気持ちの整理がつきませんでした。
これは間違いなく百合オタクだけを◯す兵器だと思います。
佐伯沙弥香の覚悟とその結末
僕が今回で一番語りたいのは多分ここなのかもしれません。
物語開始当初から燈子への恋心を抱いていた沙弥香が遂に覚悟を決めた修学旅行。
侑より早く燈子を好きになって、燈子にとって唯一対等な関係でありながらもずっと踏み込むことができなかった、そんな佐伯沙弥香の一世一代の告白。
これはやが君オタクであればずっと見たかったシーンだと思います。
沙弥香からの告白がなければ燈子は「好き」という感情を一生理解できず
沙弥香でなければ「好き」から逃げ続けていたと言う燈子。
燈子がこういうことを言えるのは、侑とはまた違う”沙弥香だけの積み重ね”による結果だと思います。
この告白によって「好き」というのは「私の好きなあなたでいてくれる」という「信頼」の言葉という事を沙弥香から聞かされ燈子は侑のことが「好き」という事に改めて気づくのも含め
七海燈子にとって佐伯沙弥香という存在が如何に大きかったのかが伝わる本当に良い回でした。
この全てが終わった後の佐伯パイセンの笑顔、本当に好き。幸せになってほしい。
まあ実際のところ、パイセンだけでスピンオフ小説が2冊出せちゃうぐらいの人気(?)なのでここまでガッツリ掘り下げられたパイセンの
”いつか来るであろう告白シーン”がどんなものになるのか全く想像できずに待っていたらこんなにエモいものが飛んできてオンオン泣けたので
「やっぱりやが君は信頼の塊だな~~~~」というのが語彙力皆無の感想です(?)
「光」とは
39話の「光の中にいる」ってサブタイがめちゃくちゃ好きです。
燈子に「ごめん」と言われ「好き」を見失った侑が
「光」(好きという感情)が眩しくて目を伏せているこの扉絵。
しサブタイトルは「光の中にいる」。
つまり、この1枚の中で
「”好き”という気持ちを理解しつつも前に進めない小糸侑」というのが表現されているのではないか?とそれっぽい(?)解釈をしてます。
その39話本編の中で、特に印象的なのが「侑に光が射す演出」です。
「好きがほしい」と影がかかった表情でいう侑。その直後に来た燈子からのメールにより光が射す方向へ走り出していくシーン。
最初に読んだ時には夢中になってて気づかなかったのですが、この駄文を書くにあたってこのシーンの演出に気づき「ああああああ!!!!」と叫んでしまいました。
「好き」と再び向き合って侑が前に進むこと=光へ走り出すこと だと
扉絵と合わせて39話が神回になった瞬間だと思います。
そしてこれが7巻の締めという全てにおいて相応しい演出であったなと。
そしてもう一つ触れておきたいのが
「やが君」の守護神、スーパーリリーフの槙くんが見事な中継ぎを果たしてくれた件です。
「好き」を理解し自ら舞台の演者になった侑と、「好き」は舞台のものと割り切り第三者として眺めている槙くん。
両者の違いは最初から決定的ではあったものの、燈子の件で「好き」を諦めようとした侑に「逃げているだけ」と言えるのはやはり槙くんだけですね。
みんなが持つような「好き」という感情を理解していないけど「幸せな舞台がいいなあ」と思いつつ侑の背中を押した彼には敬意を表したい。
この7巻を通して侑と燈子は周りの人達に恵まれてるとここで改めて思いました。
まとめ
どこをとっても本当に素晴らしい巻でした。
話はさることながら、漫画としての完成度が7巻は今まで以上に高かったと思います。
そしてこの7巻の続きが4/27発売の電撃大王2019年6月号で読めるのですが
この続きはやばい!!!!!!!!!!!
とにかくやばいです。
常人であればこの衝撃には耐えらず体が崩壊して尊みの粒子になることでしょう。
何はともあれ、丸4年間商業百合を引っ張ってきた「やが君」が次の8巻で終わるのは寂しいですね。
二人のラストを見届けたら僕は「やが君界」に旅立ちたいと思います。
おわり