【百合ゲー感想】「FLOWERS 四季(秋編)」春編とはまた違う不完全燃焼。
どうも、百合おじです。
FLOWERS 秋編、終わらせました。
プレイし終えてから
「ああ、FLOWERSって夏編が異色なだけでこっちが良くも悪くも本来の雰囲気だよな」
ということを秋編で”わからされた”ので、今回はそんな秋編のあれやこれを書いてます。
八代譲葉と小御門ネリネについて
秋編での主人公である譲葉と、その譲葉が幼い頃から恋心を抱いている相手のネリネ。
この二人の馴れ初めや、関係性の変化などが秋編では描かれることとなるのですが
僕はどうしても小御門ネリネが好きになれなかった。
まず第一に、譲葉→ネリネは描かれていても、ネリネ→譲葉の描写が乏しいこと。
そして一番気になるのが特に幼少期に自分の好奇心とエゴで譲葉を歪ませたこと(キリスト教の洗礼を受けさせた)に対する贖罪が成されていないのが非常に違和感を覚えます。
譲葉を歪ませた件の報い(?)からネリネが大病を患い九死に一生を得たという話も本編でありますが、それはプレイヤーからすると「過去の話」であって、今の小御門ネリネに対する印象が変わるわけではないということ。
譲葉自身は一貫して「ネリネが好きだから過去の件は気にしない」というスタンスですが、僕的には「いや、いくらなんでもそれはやりすぎでしょ」と感じていたので
後述の「ネリネEND」での一生キリスト教徒として生きるぐらいのインパクトがある贖罪、謝罪シーンが欲しかったですね。
この作品はヒロイン(というかカップリング)が固定されているので
(秋編でいえば必ずTrue ENDではネリネになる)そのヒロインを好きになれなかったというのがそもそも百合ゲーとして痛いと思います。
沙沙貫苺と沙沙貫林檎について
さて、春編から登場しているお騒がせ姉妹の二人ですが・・・
林檎が本当に成長した。
正直(本当に、マジで)お騒がせすぎて夏編を終えた段階で好きになる要素が
ギャグ要員としての扱いやすさ(?)
ぐらいしか思い浮かばなかったのですが、まさかここまで良いキャラになると思いませんでした。
今回の秋編のヒロイン(?)は上記の小御門ネリネと沙沙貫林檎の二人がいますが
僕は断然後者のほうが好きです。
なんと言っても、その「人間臭さ」ですね。
秋編開始当初から、姉の苺は譲葉に「好きに近い憧れ」を抱いていた中で、林檎は自分もその感情を知りたくなった結果、譲葉を好きになってしまう。
そんな中、ネリネに告白し振られた譲葉を「私はあなたの全てを受け入れる」と言って(仮初の)恋人になり、最後はネリネへの感情を捨てきれない譲葉へ後押しをする姿。
間違いなく秋編一番の立役者と言っても過言じゃないでしょう。
僕は特にネリネに振られて心が折れてしまった譲葉に対しての「ズルをしてでも好きな相手を自分のものにしたい」という行動が好きです。
あの時点で支える人間がいなければ譲葉は蘇芳との約束を無下にしていたかもしれませんし、何より「林檎との恋人として過ごした時間」がなければ譲葉はネリネへ再び告白することにもっと時間がかかったことでしょう。
「譲葉はネリネのことが忘れられない」と最初から知りながら「僅かな時間でも自分の恋人となってほしかった」という儚い感情には完敗です。
これを見せられたらどうしても「ネリネはキャラが弱いなぁ」となってしまうのも致し方ない。
それを含めて僕は「林檎END」より「True END(ネリネEND)」においての林檎のポジションが好きですね
各エンディングについて
ネリネEND
まさかの「ネリネが譲葉を選ばないエンディング」ですね。
自分の犯した罪を償うために、2度目の譲葉からの告白を断りつつも
「今まであった誰よりも惹かれていた」という事を告げる様は残酷そのものでした。
2度も同じ相手に振られつつも譲葉は「恋は破れはしたが、恋心は散ってなんかいない」と言い切り
「願わくば彼女の傍でずっと守り続けたい」という意志を神に告げる姿が印象深いです。
True ENDが少し・・・いやかなり納得がいかない自分としては
”譲葉のどこまでも一途な想いと、残酷な結末の中でも希望が見える終わり方”
をしているこっちのエンディングの方が好きですね。
林檎END
「本当に大切なことは痛みと引き換えでないと手に入らない」と八重垣えりかに
告げられた譲葉が張り裂けそうな想いを涙で流して小御門ネリネを忘れる話です。
あそこまで恋い焦がれていたネリネの気持ちを捨て、林檎といる優しい時間を選ぶというのは、率直言うと「逃げ」で、それに「誰も納得していないけど事実を受け入れる」と言った感じで終わるのが林檎ENDなわけですが
正直、何とも評価し難い。
嫌いではないけど好きでもなく「林檎を選ぶということはこういうことだぞ」という
事実がこのENDにはあったというだけで、格別グッとくるようなところがなかったからかもしれませんね。
やっぱり林檎は譲葉の背中を押すべきだし、譲葉はネリネの気持ちを捨てるべきじゃないというのがこのENDを見ると再認識できるかも・・・?
双子END
「二人で大人になっていくことを選んだ姉妹END」
True ENDで譲葉とネリネが結ばれた裏で林檎はどうしていたのかといえば
「もちろん譲葉のことは好きだったが、本当に大事な存在はいつも傍にいた姉だった」という事に気づき苺と和解し、「今まで学力、好み等の姉に合わせていたこと」をやめて「二人でこれからも生きていく」という感じですね。
譲葉はずっとネリネの気持ちを諦めきれなかったし、林檎もそれをわかってた上で付き合っていたのを考えると「これが一番良い落とし所」だったのかなと思います。
この双子が恋人(というかキスする関係)になるとは正直思っていなかったので
「え、それは無くても良いのでは?」となりましたが・・・
まあそれはそれとして、林檎が「自分なりの答え」を見つけて未来に進んでいけることがこのENDでわかったことが個人的に一番良かった点だと思います。
True END
僕が真っ先に思ったことは
「あまりにも都合が良すぎるのではないか?」です。
「小御門ネリネの人生」において「八代譲葉」という存在が
「全て(親、家族、友人、学校生活)を捨てる決意をしてまで選ぶべき存在だったのかが秋編において描かれてないこと」
が不完全燃焼にさせる理由の全てだと思います。
上記にも記載した通り、ネリネ→譲葉の心情が秋編はあまりにも乏しい。
故にこれを「秋編のTrue END」と言い切ってしまうぐらいなら
明確に「譲葉を選べない」と告げているネリネENDの方が個人的には好きです。
「納得は全てに優先するぜ」というとあるキャラのセリフを思い出すように
秋編において足りなかったのは「プレイヤーを納得させるだけの小御門ネリネの掘り下げ」ではないでしょうか?
おわりに
秋編でもえりちどはいいぞ。
主人公が交代して視点が変わったからか、夏編より一層イチャイチャバカップルと化しており、それでいて二人して譲葉の背中を押す美味しい役回りを担っているため
「もうこの二人がずっとメインでいいんじゃないかな?」と思わずにはいられませんでした。マジでFLOWERSシリーズの癒やしですね。
このまま行くと冬編が終わっても「やっぱりえりちどだなー!」とか言ってそうですが、そうなったらいよいよ「えりちどの魅力」という記事でも作って夏編を布教したいですね。
おわり